プロジェクトストーリー
その先を見据えた挑戦
2017年入社
人間科学部 社会学科卒
既存システムを統合し、未来を見据えた効率化を実現する。
フォーマルウェアを中心に扱う服飾メーカーA社からの依頼で、このプロジェクトが始動した。複数の店舗で異なる売上管理方法により、データ不整合や高額な保守費用が経営を圧迫していた。A社の課題を根本から解決するために立ち上がったチーム。システム統括部の彼はその先頭に立った。
「初めてプロジェクトリーダーとして全体を任されたのがこのプロジェクトでした」。彼はこの挑戦を通じて、自分自身の限界を試すことになると予感していた。
01
第一の挑戦、
業界理解
彼はこれまでアパレル業界に触れる機会がほとんどなかった。専門用語や業界特有の商習慣は、お客さまとの会話にたびたび障壁となった。「例えば、『品番コード』一つとっても、業界内では複数の呼び方がありました」。彼はすぐに問題解決の糸口を探し始めた。
「とにかく、わからないことを放置しない」。彼は自分なりのルールを設定した。お客さまが口にした言葉や資料に不明点があれば即座に調べ、同僚や上司に意見を仰ぎながら知識を積み上げた。時には夜遅くまでチームで資料を読み込むこともあったという。「その努力があったから、最終的にはお客さまとの議論において十分な信頼を得られたのだと思います」

02
要件定義
フェーズの試練
プロジェクト序盤、要件定義フェーズで大きな壁が立ちはだかった。A社の現行システムは店舗や部門ごとに運用が異なり、それぞれ独自の方法で処理していた。「要件が曖昧で、プロジェクトメンバーが混乱する場面も多かった」と当時を振り返る。
彼が選んだアプローチは、ユーザーストーリーの可視化だった。現行システムの使用者にフォーカスし、「誰が、いつ、どんな目的でシステムを使うのか」を詳細に書き出していった。「現場の運用を把握しないままでは、統合は成功しない」と言う。この地道な作業がプロジェクトチーム全員で行う協力のもと、要件の優先度を明確にし、プロジェクト全体を前進させる原動力となった。

03
「シンプルで強い
システム」への到達
2024年末、ついに新システムがリリースされた。このシステムは、複数の既存システムを統合し、必要な機能だけを残したシンプルな構成だ。A社が抱えていた課題に正面から向き合い、コスト削減と運用効率化を実現した。
お客さまからの「ありがとう」という言葉。その瞬間、彼は胸の中でふと考えた。「システムは完成した。でも、本当の仕事はここからだ」。導入後の安定的な運用こそ、お客さまが本当に求めている価値だということを理解していたからだ。
未来を見据える
プロジェクトリーダー
「今回のプロジェクトは、私自身のキャリアにおいても大きな転機でした」と語る。その言葉の背景には、多くの苦労と努力が詰まっている。彼は次のプロジェクトに向けて、さらなる挑戦を決意している。
「システムコンサルタントに依頼してよかった、と言われる仕事を積み重ねたい。そのために、これからもお客さまと向き合い続けます」。彼の視線の先には、すでに次のプロジェクトが見えている。